ウルルは1枚岩?
ウルルは1枚岩?
南オーストラリアにあるウルルは世界で2番目の1枚岩です。
現在はアボリジニーとの合意に基づいて登山禁止になってしまった比高335m・周囲9.4kmのウルル(集会の場所)は
1872年の探検家のウイリアム・ゴスが発見し、当時南オーストラリア州書記長ヘンリー・エアーズ卿の名にちなんで
「エアーズ・ロック」と名付けられました。
この1枚岩の歴史は6億年程前に遡ります。
当時この地帯は山から川によって運ばれてきた堆積物によって礫岩層と粗砂岩層が形成されていました。
その後、発生した地盤沈下で海底になり砂、泥、石灰岩などが堆積したのです。
その後3~4億年前に大きな造山活動が始まり、ウルルが地上に再登場したわけです。長い年月をかけて、
上部のもろい部分が風雨に浸食され固い部分の現在の姿になったというわけです。
画像を見ると地表にどでかい岩が地面に蓋をしているように見えるのですが、地中にこの岩は続いています。
そういう意味では岩ではなく地層そのもの、つまり大地ということになります。
本当に最大の単体1枚岩は一体何処にあるのでしょうか?
尚、ウルルと同じ構造で見た目が世界一の1枚岩は西オーストラリアに存在します。
1858年に発見されたマウント・オーガスタです。
比高858mあり、ウルルの約2.5倍の大きさがあります。
こういうブログを書いていると、自然のパワーは凄いものだとつくづく感じます!
ハッブル宇宙望遠鏡の誕生!
ハッブル宇宙望遠鏡の誕生!
次期宇宙望遠鏡ジェームズ・ウェブ打ち上げまで、いまだ頑張っているハッブル宇宙望遠鏡は
NASAが保有する望遠鏡の中で、最も成功を収めたものといわれています。
宇宙の膨張を発見した天文学者エドウィン・ハッブルに因んで名付けられたこの望遠鏡は、
長さ13.1メートル、重さ11トンの筒型です。2018年10月の修正で、物体の角度(姿勢)や
角速度あるいは角加速度を検出する計測器ないし装置である3基のジャイロスコープが
セーフモードで作動しています。
ハッブル宇宙望遠鏡は天文学や宇宙物理学に多大な貢献をし、宇宙の驚くべき画像を我々一般人に
対しても沢山提供してくれています。
ハッブル宇宙望遠鏡に感謝の意を表し、打ち上げ寺の画像を掲載しておきます。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
メタンハイドレードとシベリアの巨大クレーター!
メタンハイドレードとシベリアの巨大クレーター!
ロシア北極圏の永久凍土には大量のメタンハイドレードがあることは以前から指摘されていました。
石油や石炭に代わるエネルギー源としてこのメタンハイドレードを如何に採取するかについては、
日本も含め各国で研究されていますが、現在のところ商業ベースでの採取方法について目処が
立っていません。
そもそも、メタンハイドレードは低温かつ高圧の条件下でメタン分子が水分子に囲まれた固体で、
別名「燃える氷」とも言われています。
地球温暖化が進む中、2013年に巨大クレーターが発見されて以来、ロシアのツンドラ地帯では
クレーターが出現し、昨年画像の通り17個目のクレーターが発見されました。
現地調査を行ったロシアの研究チームの発表によれば、これらのクレーターは隕石の落下による
ものではなく、、地下にたまったメタンガスが噴出し、氷や岩石を吹き飛ばして形成されていたものだ
そうです。別の見方をすると、地中の奥に存在するメタンハイドレードのメタン分子が何らかの条件で
水分子から逸脱してメタンガスとして溜まり、最後に地上に噴出したものと考えられます。
このメタンは石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分であるため、地球温暖化
対策としても有効な新エネルギー源ですが、今回のようなメタンガスの噴出を放置すると、大気の
温室効果を促進し、気候変動にも多大な影響を及ぼすといわれています。
日本を取り巻く海底にも大量のメタンハイドレードが存在していますので、何らかの理由でメタン分子が
海中に流れ出すと大気汚染につながってしまいます。
現在大気の環境問題としては二酸化炭素が注目されていますが、実際はそれだけではなさそうです。
メタンハイドレードのエネルギー化については、日本が研究の最先端にあるともいわれていますので、
ピンチをチャンスに変える意味でも、早期に実用化を実現して欲しいものです。
ダークマターの存在が証明されるか?
ダークマターの存在が証明されるか?
ブラックホールの可視化については昨年成功したとの報道がありましたが、宇宙を膨張させていると
いわれるダークエネルギーと重力によって宇宙空間の相互作用を維持しているダークマターについては
可視化どころか存在すら確認されていません。
この状況下、今月9日に高エネルギー加速器研究機構と日本原子力研究開発機構が共同で建設した
大強度陽子加速器施設「J-PARC」で、新しいタイプの素粒子ニュートリノを探す実験がスタート
したのです。(画像はJ-PARC)。
これまで確認されたニュートリノは第1世代の電子ニュートリノ、第2世代のミューニュートリノ、
第3世代のタウニュートリノが確認されていますが、これらとは異なり、重力とだけ相互作用があると
される第4のニュートリノの存在が仮説として指摘されています。
今回の実験はまさにこの第4のニュートリノの存在を明らかにしようという試みなのです。
従来のニュートリノは質量が小さく、数百キロ飛行しないと発生しませんが、1電子ボルト(水素原子の
十億分の一)程度の大質量を持つ第4のニュートリノは数十メートルの短距離で起きるとされています。
具体的には加速した陽子を水銀に衝突させて大量のニュートリノを発生させて、24メートル離れた
装置で観測するのですが、3年後をめどに存在の兆候を見つけることを目指しているそうです。
第4のニュートリノが見つかると、ダークマターの存在証明につながるかもしれません。
大いに期待して結果を待ちましょう!
人類の存続に貢献した発見・発明!
人類の存続に貢献した発見・発明!
コロナ禍であっという間に1ヶ月が過ぎてしまいました。2月は改善して欲しいものです。
人類の歴史を振り返ると存続の危機が幾度か発生し、その都度乗り越えてきたことがわかります。
現在もコロナワクチンで世界が注目しているわけですが、近い将来安全と思われるワクチンが完成
すれば、人類は新たな脅威に立ち向かわなければなりません。
これまでの歴史の中で人類の存続に貢献したと思われる発見・発明の一部分を挙げてみます。
○ 血液型:
1901年カールライト シュナイターが発見しました。当初はA・B・C型でしたが、1902年に
C型がO型に変わり、AB型が追加され現在に至っています。輸血で手術が飛躍的に進みました。
○ ペニシリン:
1902年アレクサンダー フレミングが最近の研究中に偶然発生した青カビの周囲に細菌が
なかったことから消毒剤に使われることになりました。これにより多くの人が救われています。
○ 麻酔:
1795年ハンフリー デービーが笑気ガスに麻酔効果があることを証明しました。笑気ガスとは
亜酸化窒素(N2O)で、人が吸入すると陶酔することから名付けられました。手術が可能になり
沢山の人が救われています。
○ X線:
1895年ウィルヘルム レントゲンが真空管の中で観察される電子の流れである陰極線の研究を
している時に、蛍光紙に暗い線が現れたのをみてX線を発明しました。X線を使用した検診で
沢山の人が救われています。
偶然・観察・ひらめきなどが大発見・発明につながっていることが興味深いです。
光の速さはいつ定められたか?
光の速さはいつ定められたか?
1960年頃小学校で光の速さは秒速30万kmで地球を7回り半すると教えられました。
何故かこの数字は記憶から失われることなく現在に至っていますが、正確な速さを知ろうとした
意識はありませんでした。
あまりにも速いため一般人には細かな数字は必要ないのかもしれません。
現在国際的に定められている光の速度は 299,792.458km/秒 です。
1600年までは光の速度は無限であると思われていましたが、1638年に稲妻をみてガリレオ・
ガリレイが有限であると主張して計測しようと試みました。9km離れた二つの山の頂上に人が立ち、
片方がライトを照らし、もう一方が見えたら照らし返す方法で挑戦しましたが、光が速すぎて計測
出来ませんでした。
1926年にアメリカの物理学者マイケルソンが自ら開発したマイケルソン干渉計を用いて計測した
299,796+/―4km/秒がその後主流になり、約30万kmが通説になったようです。
そして、1973年にアメリカの物理学者エヴェンソンがレーザー光の周波数と波長を計測した数字
299,792.458m/秒が、1983年に国際度量衡総会によって光の速度と定められたのです。
国際的に定められたのが、これほど最近だとは知りませんでした!
コヨーテ・ビュート(Coyote Buttes)のザ・ウェーブ!
コヨーテ・ビュート(Coyote Buttes)のザ・ウェーブ!
新型コロナウイルスに感染すると自宅療養になる恐れから自粛ムードが高まる中、TVを見ると
コロナ禍関連ニュース一色で気が滅入ってきます。
明るいニュースは自分で見つけ出さないと行けないと思い、海外の美しい景色に目を向けることに
しました。これまでの職歴の中で主に渡航した先はヨーロッパと南米が多いのですが、観光をした
ことがあまりありません。米国に至っては、仕事で4回ほど行きましたが、残念ながら観光はニューヨークに
1回訪れただけなのです。TV番組や友人達の話から米国には日本にないスケールの大きい観光地が沢山あります。
実際に訪れることは様々な理由から厳しそうなので、このブログに掲載することで、訪れた気分になろうと思います。
まず選んだのはコヨーテ・ビュートのザ・ウェーブです。
アリゾナ州とユタ州の境界近くに位置しているバーミリオン・クリフ国定公園の中にこのコヨーテ・
ビュートのザ・ウェーブはあります。今から1億9960万年~1億4550万年のジュラ紀に堆積した
砂岩が長年水と空気に削られて形成された浸食地形(ビュート)です。ジュラ紀は恐竜が採石の時代でもあったので、
ここには1000以上の及ぶ恐竜の足跡の化石があるそうです。
コヨーテ・ビュートはノースとサウスに別れていて、いずれも訪れるには入場許可証を購入する
必要があります。お目当てのザ・ウェーブはノースにありますが、1日当り20人しか入場出来ません。
様々な酸化鉄による色の変化はまるで絵画を見ているような気分になります。
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
バオバブ!
バオバブ!
世界でも奇妙な木として知られるバオバブは、日本では観葉植物として販売されています。
エクアドル在住中どこかでバオバブを見た記憶がありますが、何とも奇妙な形状をしていたのが
記憶に残っています。
アフリカ大陸が原産地といわれている落葉高木ですが、マダガスカル、オーストラリア、インド、
南米にも分布しています。約1億5000年前にゴンドワナ大陸が地殻変動で分裂し、現在のような
大陸が形成されましたが、それ以前からバオバブは生息していたので、現在も各大陸で見ることが
出来ると言われています。
最も幹が太くなる樹木であるバオバブの平均は寿命300~500年、高さ30メートル、幹回り
15メートルですが、南アフリカに生息する画像のサンランドバオバブは樹齢6000年で幹回りが
47メートルもあります。
大木のバオバオは幹の中が空洞になり年輪で樹齢を測ることが出来ないので、化石などの年代を
調べる放射年代測定(炭素14年代法)を用います。
バオバブの名前の由来は明らかではありません。アフリカの国々で異なった呼び名がついて
いまが、セネガルの言葉では「一千年の木」という意味で、やはり長寿が特徴なのでしょう。
現在12種類あるといわれていますが、形状は必ずしも同じではありません。サンランドバオバブは
むしろ特別な形状で、画像のような、またはもっとスッキリした形状が有名です。
クエーサーとブラックホール!
クエーサーとブラックホール!
ブラックホールは有名ですが、クエーサーを知っている一般人はあまりいないように思います。
英語ではQuasarと書きますが、これはQuasi Stellarの短縮形で、日本語では準恒星状と訳して
います。下記はNASAが12月に公開したクエーサーのイラストです。
光学望遠鏡で宇宙を観測すると、恒星かと間違えそうな極めて明るい星のような存在があります。
これがクエーサーで、巨大なブラックホールとの関連が欠かせない存在です。
活発に活動している銀河の中心部分を活動銀河核といますが、その奥には巨大なブラックホールが
存在します。ブラックホール自体は見えない存在なのですが、周りのガスや塵を吸い込んで、ガスや
塵は降着円盤と称する円盤を形成します。ガスや塵は吸い込まれるときに、ブラックホールの周りを
回りながら円盤を形成します。この円盤を降着円盤といいます。
クエーサーとは降着円盤を形成している活動銀河核の一種と、天文学者の世界では考えられて
いるようです。
降着円盤内では、物質同士の摩擦によって莫大な熱が発生するので温度が数百万℃以上にもなり、
物質が気体を構成する分子が電離し陽イオンと電子に分かれて運動している状態になり、いわゆる
プラズマ化します。それによって降着円盤からはX線から可視光線、電波にいたるまでさまざまな
電磁波が強烈に放射されます。そして、場合によっては、この降着円盤の一部が細く絞られたガス流
として光速に近い速度で噴き出すことがあり、「ジェット」と呼ばれる現が発生します。イラストで銀河の
中心にあるクエーサーから銀河の両側に噴き出しているのがジェットです。
太陽系が属している天の川銀河にも巨大なブラックホールがありますが、過去にクエーサーの段階を
経験し、現在は中心のブラックホールに質量が供給されていないために、エネルギー放射活動が
終息した平穏な状態にあるそうです。
ブラックホールは大きく分けて二つのタイプがあります。一つは、自ら光り輝く重い星が、一生の最後
に爆発した後に残るブラックホール。もう一つは、たくさんの星の集まりである銀河の中心にある巨大
なブラックホールです。両タイプとも周りのガスや塵を吸い込むのですが、巨大なブラックホールの
方が当然吸い込む量は多く時間もかかります。タイプは別といて、ブラックホールが吸い込むガスや
塵が無くなったらどうなるのでしょうか?ここで登場するのがホーキング放射です。ホーキング博士
が提唱した学説で、ブラックホールはほんのわずかですが物質を放射しているらしいのです。
物質は突き詰めると粒子と反粒子が対になって現れ、くっつくと消滅することを繰り返しています。
ブラックホールの中に入った物質は出てこれませんが、ブラックホールの表面にある物質で粒子だけが外に向かい、反粒子は中に向かって中にある粒子とくっついて消滅することがあるのだそうです。そうすると外に出て行った粒子の分だけブラックホールは軽くなり、宇宙の年齢である138億年以上
の時間をかけてブラックホールは消滅すると考えられているそうです。全ての銀河で同じ現象が
起きると、全てのブラックホールが消滅し、その時が現宇宙の終焉なのかもしれません。
恐ろし先の長い話ですが、想像の世界が広がりますね!
大気圏と宇宙!
大気圏と宇宙!
我々が上を向くと空があります。全くの快晴であれば雲はなく水色と言うか青と言うか、綺麗な空間が
見えます。その青い空は大気圏か宇宙かわかりません。宇宙を感じるのは、昼は太陽が見えること、
夜は月や星が見えることで、なんとなく宇宙を見ている気になります。
地球を取り巻く大気圏と宇宙の境界はどの辺にあるのでしょうか?
大気とは地球を取り巻く気体の集まりで様々な成分があります。地上で我々が生存する源の気体は
大気の一部で空気と呼ばれています。
大気圏は次の様な層に分れています。
対流圏:
地表から約11kmまでで、雲が存在します。
成層圏:
11km~50kmの範囲でオゾン層があり温度が上がります。
中間圏:
50km~80kmの範囲でオゾンが減り温度が下がります。
熱圏:
80km~800kmの範囲で電解槽が広がっています。
急激に温度が上がります。
外気圏:
800km~10000kmの範囲です。
この圏内からは大気の気体分子や原子が宇宙空間に大量に流出しています。
大気があるか無いかでは10000kmが境界になりますが、一般的にはぐっと低く、ハンガリー出身の
航空工学者であるセオドア・フォン・カルマン氏が提唱したカーマン・ライン(100km)とされています。
国際航空連盟やアメリカ航空宇宙局(NASA)は、活動を円滑に進めるために便宜的にこの定義を
用いていますが、アメリカ軍では50海里である92.6km、連邦航空局では80km以上の高空を
宇宙空間と定義しているので、決定的な定義はありません。現象的に見ると、250km辺りで真空
空間になりますし、大気圏再突入の際に発生するブラックアウト(完全に視野を失う症状)は80km
くらいで起こります。
大気は目に見えないので大気圏と宇宙を見分ける事は出来ませんが、雲がある対流圏と成層圏の
境界くらいは認識しておきましょう!